中性脂肪蓄積心筋血管症(TGCV)とは


中性脂肪蓄積心筋血管症(Triglyceride deposit cardiomyovasculopathy, TGCV)は、2008年に我が国の心臓移植待機症例から見出された新規疾患概念である。2009年から厚生労働省や日本医療研究開発機構の難治性疾患関連事業として研究が進められてきた。心筋細胞、血管平滑筋細胞、内皮細胞、骨格筋細胞、多型核白血球、腎尿細管上皮細胞、膵島細胞等に中性脂肪 (TG) が蓄積し、心不全、心筋症、不整脈、冠動脈疾患、骨格筋ミオパチー、慢性腎臓病、耐糖能障害などを呈する。罹患臓器・細胞の主たるエネルギー源である長鎖脂肪酸 (Long chain fatty acids, LCFA) の細胞内代謝異常の結果、蓄積するTGによる脂肪毒性 (Lipotoxicity) と LCFAが供給されないためのエネルギー不全 (Energy failure) を生じると考えられている。TGが異所的に細胞内に蓄積することが特徴で、血清TG値や体格指数 (Body mass index)などは、診断的価値がない。本症は、2019年に欧州最大の希少疾患ネットワークOrphanetに独立した疾患単位として登録された(ORPHA code: 565612)。



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